甘みが段違い!「伊達農園」のゆり根

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甘みが段違い!「伊達農園」のゆり根

2017年2月15日 UP

Brasserie coron×いいね!農styleコラボ企画
『coron marche de saison』
北海道の生産者をお招きし、お客様にトークセッションや交流会、さらにお料理まで楽しんでもらう企画。
1月のテーマは「ゆり根」です!

今回のトークセッションに登場した生産者は、幕別町でゆり根農家を営む「伊達農園」の伊達敦さん。まずはゆり根の基本の「キ」について説明してくれました。

ゆり根は中国では薬膳や漢方に使われるほど栄養がたっぷり。葉酸やカリウム、グルコマンナンといった成分が多く含まれ、滋養強壮や産後の回復に効果的だと切り出します。
「あまり知られていませんが、一般にスーパーで見かけるゆり根の品種は白銀。流通の9割以上を占めているはずです。ただ、ウチの農園では病気や衝撃に弱く、繊細に扱わなければならない月光という品種も育てています。コチラはデリケートな作業を要する分、甘みが強いんですよ」
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お次の話題は栽培。ゆり根は土に含まれる菌やウイルスに特に弱い作物。同じ畑で育て続けると土中菌が増えていくので、毎年掘り起こしては別の土地に植え替えて輪作する必要があるそうです。しかも、売り物になるまでには平均すると5年はかかるというから、驚くほど手間と時間がかかります。

「ゆり根は花が咲く前につぼみをすべて手で摘み取り、繁殖を諦めさせることでエネルギーを蓄えます。それを毎年繰り返して大きくしていくんです。ちなみに、ゆり根といいつつも、実は根ではなくゆりの葉が変形して重なりあった鱗茎(りんけい)という地下茎なんですよ」
このこぼれ話にお客様の「へぇ~」があちこちから聞こえてきました。
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ゆり根について大まかに知ったところで、今度はご自身のお話へ。伊達さんは6年ほど前に関西から北海道へ移住し、酪農家や大規模農家を手伝いながら奥様とともに就農を夢見ていました。
「当時は何も分からずに農家を目指していましたが、しばらくするとふつうに新規就農するのは制度の面でも、人脈の面でもなかなかハードルが高いぞ...と。妻と今後の身の振り方を話し合い、メジャーな畑作4品目(小麦・豆類・ビート・馬鈴薯)ではなく、すき間を狙ったコンパクトな経営に進もうと考えました」

そんな時、伊達さんは帯広市においしいゆり根をつくる農園があるというウワサを聞きつけます。関西では北海道よりもゆり根を食べる機会は多いものの、「ザラザラして味気ない地味な野菜のイメージでした」と正直に打ち明けました。
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「だけど、実際にゆり根を食べさせてもらってビックリ。信じられないくらい甘くて、糖度を計ってみると26~27度もあったんです。自分の道はコレだ!ニッチなゆり根だからこそおいしく育てられればマーケットが開ける!そう直感が働き、帯広のゆり根農園にイチから勉強したいと願い出ました。まあ、妻にゆり根農家になると宣言したらビミョ~な表情をしましたけど(笑)」

お客様の笑いを誘った後は、おいしいゆり根をつくる種明かし。実は、栽培方法が特別なのではなく、収穫後の管理が甘みを高めるヒケツだといいます。温度と湿度を一定に保つ専用の冷蔵庫で2カ月間寝かせ、極限まで糖度を高めて出荷するのが伊達流なのです。

「手間を惜しまず栽培と管理に精を出せば、ゆり根はお客様を満足させられるおいしさに自ずと成長してくれます。いわば、僕は『ゆり根様』にご飯を食べさせてもらっている農家...そんなスタンスです」

ゆり根への敬意をユニークな表現で語り、生産者トークは終了。お客様が待ちわびる料理については、「brasserie coron with LE CREUSET(ブラッスリーコロンウィズル・クルーゼ)」の塚田宏幸シェフにバトンタッチしました。
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今回の料理は...
◎ゆり根「白銀」のグラタン
◎ゆり根のコンプレ
◎ゆり根「月光」の塩釜焼き
◎ゆり根「白銀」とそのピュレ ルルロッソのオレキエッテ
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「ゆり根のシンプルな味わいと素材が持つ甘みを、どう引き出すかが今回の課題。とはいえ、伊達さんからゆり根を石焼にすると外はカリカリに、中はホクホクになるという話を聞き、それだけで塩釜焼きの成功は確信(笑)。塩や卵白で包んだゆり根を石窯でじっくり火を入れ、繊細な味を楽しめるように仕上げました」

ちなみに、ゆり根のコンプレはゆり根のペースト30%、オーブンロースト50%に全粒粉を20%加えた特製。「あまりに材料費が高額でお店では出せません」と塚田シェフはいたずらっぽく笑います。
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さっそく料理を味わったお客様は「ゆり根が甘い!」「果物みたい!」など、ゆり根を絶賛する声、声、声。「ゆり根のイメージが変わりました」という女性に、伊達さんは「ありがとうございます!」とうれしそうに答えていました。
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食後も伊達さんと塚田シェフによるトークセッション。ゆり根の食べ方について話題が飛び出すと、「塩こしょうを振り、十勝のチーズをのせてトースターで焼くだけでもおいしいですよ。ポイントは焦げるギリギリ手前まで火を入れること」と塚田さん。伊達さんはすかさず「何分くらい?」と尋ねますが、「イヤイヤ、ご家庭のトースターによって違いますから何とも...」という答えに会場には笑い声が響きました。


今回のラストを飾ったのは伊達さんの締めのあいさつ。「農家が自分の作物を料理してもらい、それを召し上がってくださる方に向けてお話できる機会は滅多にありません。おいしかったという言葉もいただき、こんなに幸せなことはないと感じました」

当日限定のマルシェでは「伊達農園」のゆり根「月光」を販売。保存のポイントは保湿や殺菌の効果があるオガクズから出さずに、冷蔵庫(できればチルド室)に入れておくことなのだとか。今回もお客様が列をなしてゆり根を買い求めていました。
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次回の「coron marche de saison」のテーマは昆布。塚田シェフの得意分野だけに、期待が高まります。気になる方は、ぜひ、ご参加ください!

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