おいしさと楽しさを突き詰める!「のみやまファーム」

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おいしさと楽しさを突き詰める!「のみやまファーム」

2017年8月31日 UP

Brasserie coron×いいね!農styleコラボ企画
おいしくて楽しい生産者トーク&交流会「coron marche de saison(コロンマルシェドセゾン)」。7月のテーマは「ミニトマト」。今回は赤、ピンク、黄色、緑、白にエトセトラ...まさに色とりどりの品種を手がける「のみやまファーム」の野見山朋秀さんにお越しいただきました。
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今回の司会進行役もおなじみ「いいね!農style」の伊藤新。さっそく野見山さんに自己紹介をお願いしました。

「僕は福岡県出身。北海道三笠市に新規就農してからもう10年がたちました。メインで作っているのはミニトマトですが、ハウスではほかにもメロンやスイカ、露地ではスイートコーンやじゃがいも、オクラ、かぼちゃなんかも手がけています」
※野見山さんが新規就農したきっかけは「農という仕事 それぞれの道Vol.5」をご覧ください。
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数多くの作物を育て、品種に関しても多彩に取り組んでいるのが「のみやまファーム」の特徴。ミニトマトはおよそ30品種も作っているそうです。

「僕が飽きっぽいというのもあります(笑)。ただ、同じ場所で同じ野菜を作り続けると土壌のバランスが崩れますし、作物特有の病気の菌がつきやすくなるんです。なので、今年ミニトマトを作ったハウスでは来年はメロンを...というふうに毎年2月くらいにどこに何を植えるのかパズルのように決めています」
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伊藤は野見山さんと付き合いが長く、作り方にこだわるのではなくおいしいものを突き詰める姿勢は変わらないと切り出します。そのスタイルを表現するのが「のみやまファーム」のホームページに躍る「ワザを売らずにモノを売る」という文言です。

「農法とか定石に縛られるのがイヤなんです。農薬や殺菌剤も好きではありませんが、必要な時に必要な量、必要な種類をきちんと見極めた上で使えば安全。肝心なのはミニトマトやメロン、スイカと会話を重ね、一つひとつに合った技術を作物に教わりながら売れるおいしさを作ることです」

話題は野見山さんのお子さんのトークに。学校給食には「のみやまファーム」のミニトマトやオクラを納品することもあり、ふだん「トマトは嫌い」と冗談めかして伝えてくる子どもたちも、「みんな給食を残さず食べてたよ」とうれしそうに話すそう。「それが一番うれしいかな」と野見山さんも相好を崩します。
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ミニトマトの品種は入れ替わりが激しく、日本で品種登録されている百数十のケースはあくまで「海外に持ち出すのがNGの品種」という意味なのだとか。登録されていない品種は数限りなく、野見山さんにしても5品種程度は自家採種して、コレゾというお気に入りを求める取り組みを続けています。

「10万年前とか、20万年前の品種は毎年なくなっているでしょうね。ウチで作っている白のミニトマトもピンクから派生した系統、黄色から派生した系統があります。収穫してからしばらく待ち、白からピンクへと段々と色が変わると、コイツの先祖はピンクだったのかな...なんて思いを巡らせることも」

お話が上手で時間がたつのも忘れてしまいそうですが、ココで今回のお料理を説明するために塚田宏幸シェフが登場。かつて「のみやまファーム」を訪れた際に、ミニトマトもさることながら、メロンやスイカ、オクラなど数多くの作物の味わいにも感銘を受けたといいます。
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「一品目は夏にぴったりのガスパチョ。種をとったミニトマトを絞り、トマトピューレとあわせました。上がミニトマト、下がメロンのガスパチョと二層なのでザクッとすくって召し上がってください。二品目は平打ちの自家製タリアテッレを冷製仕立てにして、ミニトマトとからめたシンプルな一皿。三品目は野見山さんのオクラを天ぷらに。ガンボという粘り気のあるアメリカ料理をイメージした香草たっぷりのグリーンソースにも、オクラのネバネバを活用しています」

この日のメニューは...

◎メロンのガスパチョ
◎いろいろトマトの冷製タリアテッレ
◎オクラの天ぷら グリーンカレー
◎coronのパン
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食事中はシェフの手の込んだ料理に「おいしくてキレイ」と表情を緩めたり、野見山さんに自家採種について詳しく尋ねたり、お客様一人ひとりが楽しい交流タイムを過ごしていました。
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お腹が一杯になったところで、今度は3人によるクロストーク。まずはミニトマトのなるほど話からスタート。大玉トマトは追熟といい、実がほんのり赤いうちに収穫して流通の間に酸味を下げていく一方、ミニトマトは完熟した状態で収穫します。その違いとは?

「ミニトマトは大玉トマトと違い追熟をしないので、完熟して木になっているところをとるのが基本なんですよね。ちなみに乾燥から身を守るためにワックスのようなヤニを出しているのですが、それがミニトマトの香り成分のもと。放っておくとすぐに香りが飛ぶので、ウチではすぐに出荷するスタイルをとっています」

野見山さんの言葉に塚田シェフが「僕ら料理人はフルーツのような甘いミニトマトよりも甘み、酸味、香りのバランスの良さを重視します。なかでも、複雑な香りが一番ほしいんですよね」と続けます。
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その後も野見山さんは「ミニトマトを育てる時、たくさん伸びてきたわき芽(葉や茎の付け根から出る芽)は頭のほうを落として主枝だけ残すと根へのダメージが少ない」とマニアックな園芸トークを披露。塚田シェフも「1リットルの水に20gと多めの塩でパスタを茹で、ミニトマトの輪切りをオリーブオイルと一つまみの塩で炒めてからめるとおいしい」とミニトマトのおいしい食べ方トークで応戦。お客様の「へぇ」や「なるほど」が絶えないセッションとなりました。
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最後はお二人からのあいさつで楽しい時間を締めくくります。塚田シェフは「実は5年ほど前、野見山さんの野菜を使ってイベントでフルコースを作ったことがあります。あれから僕の料理はどれくらい進化したのだろうか...と挑戦するような気持ちで向き合いました」と表情を引き締めました。

「最後になりましたが、僕がなぜこんなにたくさんの種類の野菜を作っているかという理由をお話しします。かつて黄色いミニトマトを作った時に、お店の方に黄色は酸っぱくておいしくないといわれました。確かにトマト=赤というイメージはありますが、僕は普通とは違う面白いことをしたいんです。30品種を手がけるには一つの技術では通用しませんし、手間がかかるもの。でも、農業を楽しみながら、食卓にハレの日を届けるようなちょっとだけ珍しい野菜を作る。そして、皆さんにもおいしく楽しい時間を過ごしていただく。その循環に手応えを感じながら充実した日々を過ごしています」と野見山さん。
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この日の会場限定ミニマルシェも野見山さんの野菜を求める人で一杯に。次回のテーマは「少量多品目の夏野菜」。どんな作物がテーマとして飛び出すのかご期待ください!
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