生産者トーク&交流会

生産者のお話など、当日の様子をお伝えするイベントレポートです。

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Brasserie coron×いいね!農styleコラボ企画
おいしくて楽しい生産者トーク&交流会「coron marche de saison(コロンマルシェドセゾン)」。2018年の幕開けを飾ったゲストは、甘~いゆり根を手がける「伊達農園」の伊達敦さん。およそ1年ぶり、二度目のご登場です!
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昨年に引き続き、司会進行役を務めるのは「いいね!農style」の伊藤新。さっそく伊達さんをご紹介すると、会場は温かな拍手に包まれました。

「昨年来ていただいた方もいらっしゃるかもしれませんが、簡単に自己紹介します。僕は関西出身。もともと農家を営んでいたワケでもなく、子どもの生活を大切にしたいという考えから『農』の道を歩もうと考えました」
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きっかけは、奥様の同級生が十勝の酪農家に嫁いだこと。結婚式に招かれた際に、ご親族の農家とお話ししたところ、一生懸命仕事に取り組む姿勢に共感を覚えたそうです。しかも、お子さんたちが「働く父さんの背中がカッコイイ」と口をそろえたのだとか。

「親が仕事と向き合う姿を子どもたちに見せられるのが農業。子育てするには理想的だと思いました」と伊達さん。7年ほど前に家族で十勝エリアに移住し、紆余曲折を経てゆり根農家として就農しました(詳しくは前回の記事をご覧ください)。

ゆり根は土に含まれる菌やウイルスに弱い作物。同じ畑で育て続けると土中菌が増えていくので、毎年掘り起こしては別の土地に植え替えます。しかも、一度ゆり根を栽培した畑は、最低でも10年ほど休ませなければならないというのです。

「ゆり根づくりの名人にお話を聞くと、ココが一番良いと25年休ませた畑でも、二回目に植えたものは一回目には届かない出来だったそう。つまり、『ゆり根を栽培したことのない畑』も、おいしさを生み出す条件の一つなんです」
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ゆり根は何とも手間がかかるニクい作物。加えて、伊達さんは一般的な「白銀」という品種だけではなく、甘みが強い代わりにデリケートな「月光」も手がけています。病気で変色することも少なくないことから、流通に乗せづらく、直接販売するしか手がありません。

「まあ、新規就農者にとってニッチな商品を自ら売れるのは好都合。だけど...」
だけど?と伊藤が続きを促すと、伊達さんは農業のリアルを切り出しました。

「僕らのような、その土地と縁もゆかりもない新規就農者は立場が揺らぎがちで...。もちろん、農地を貸してくださる方は一生懸命働く様子を評価してくれますし、行政も受け入れには積極的。だけど、例えば農家を継ぐ予定がなかった息子さんが帰ってきたり、娘さんがお婿さんを連れてUターンしたり、事情が変わってしまうこともよくあるんです」

伊達さんも「農地問題」に直面した一人。昨年、突如として今まで借りていた農地が使えなくなり、途方にくれたそうです。ゆり根の栽培をやめるか、農家自体を諦めるか、関西に戻るか、奥様と話し合いました。
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「ゆり根は植え替えと輪作が必要なので、自分の農地を持つとなると莫大な面積を要します。このままでは続けるのは厳しい。だけど、僕らのゆり根を待っていてくれるお客さんもいる。気持ちが揺れる中で、占冠の農家さんから助け舟を出していただきました。『気候条件は恵まれていないけど、あんたがゆり根をつくるなら支えてやる』と」

この申し出に救われ、ゆり根をつくる農地を借りることができた伊達さん。場所が変わっても、おいしさを突き詰める気概は変わらず、現在は占冠で農業と向き合っています。

ここで、お待ちかねの料理が登場!昨年に引き続き、塚田宏幸シェフがポイントを説明してくれました。
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「一品目は、ゆり根の甘みを引き出したポタージュ。自然放牧の母豚のベーコンを加えることで、脂のコクも楽しめるように仕上げました。パンにもたっぷりゆり根を練り込み、巣ごもり風に。パスタはホタテと毛がにの身を使った贅沢版です」

今回の料理は...
◎ゆり根のポタージュ〜母豚ベーコンのアクセント
◎ゆり根のコンプレ〜バター焼き〜
◎ゆり根の 毛蟹 ホタテ タリアテッレ
◎coronのパン
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食事タイムには伊達さんと塚田シェフがお客様のテーブルをラウンド。「またゆり根がつくれるようになって良かったね」「母豚のベーコンを使ったのは肉が熟成しているからなんのかしら」など、楽しい交流の声があちこちから聞こえてきました。
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食事が一段落すると伊達さんと塚田シェフによる後半のトークセッション。「伊達さんの月光は本当においしい。冬にコレを食べるのが北海道の風物詩になってほしいくらい」と塚田シェフが大絶賛します。

「でもね、和え物とかダシで炊くなら白銀のほうが合っていますよ。風味を楽しむ食べ方は月光よりも上だと思います。あんまり白銀をイジメないで(笑)」
伊達さんのジョークを交えたトークに会場は笑いの渦。ここから、「食べ方」にまつわる話題が白熱。昨年、伊藤がゆり根を生で食べるのもおいしいと伝えたところ、お二人は大反対しました。ところが...。
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「実際に試してみたら、食感はシャキシャキしているし、甘みはとうもろこしみたいだし、あれ?意外とおいしいかもと(笑)」と塚田シェフ。お客様にも試していただこうと生の月光をサーブしたところ、おいしいという反応は半数以上でした。とはいえ、伊達さんは「ゆり根のデンプンはゆっくりと火を入れると糖に変わって甘みが増すので、加熱したほうがオススメです」と会場を沸かせます。

塚田シェフがイチオシするゆり根の食べ方は梅肉ソースがけ。沸騰させすぎずに4分ほど湯がき、梅とダシを半々にしたソースを和えると、ゆり根の甘みと梅の酸味の対比が味わえるといいます。

最後の話題はゆり根の保存方法。「ゆり根はマイナス1℃くらいで完全に休眠し、甘みを保てるようになります。ご家庭では冷蔵庫のチルドやパーシャルに入れておくと長く保存できます。その際、オガクズは菌から守る役割を果たすので、取り除かないでください」と伊達さん。
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「伊達さんは家族との暮らしを楽しむために農業の道を選び、それを実践しているのがステキだと思います。新しい地域に移って不安もあるかと思いますが、僕らは引き続きおいしいゆり根に期待大です(笑)」と塚田シェフが締めのご挨拶。

「僕は家族の絆に重きを置いているとお伝えしましたが、もちろん農業というスタイルに愛情を持って取り組んでいます。そうしてつくったゆり根を愛情たっぷりに料理してくれる人がいて、食べてくださる方がいる。それが何よりうれしいですね」

この日の会場限定ミニマルシェには、月光と白銀のセットがズラリ。昨年にも増して手に取ろうとするお客様で大賑わいでした。
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Brasserie coron×いいね!農styleコラボ企画
おいしくて楽しい生産者トーク&交流会「coron marche de saison(コロンマルシェドセゾン)」。9月のテーマは「とうもろこし」。今回は石狩市で15年ほど有機農業に取り組んでいる「はるきちオーガニックファーム」の小林卓也さんをゲストに、時間が足りない...と思うほど内容の濃いトークセッションが展開されました。
※はるきちオーガニックファームの記事は、農style file vol.9もあわせてご覧ください。
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この日の司会進行役はおなじみ「いいね!農style」の伊藤新。まずは小林さんの自己紹介を皮切りに楽しい会がスタートしました。

「僕は石狩生まれ、石狩育ちの38歳。高校時代は環境問題に興味があり、北海道大学工学部環境工学科に進学しました。ところが、研究を進める上で農業が抱える課題とぶつかるようになり、次第に有機栽培についての知識欲が湧き上がってきたんです。で、15年ほど前に新規就農し、今はとうもろこしやかぼちゃ、じゃがいも、ビーツなど100種類くらいを栽培しています」
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実は、小林さんのご両親も農家なのだとか。伊藤が「どうして後継ぎにならなかったのでしょうか?」と素朴な疑問をぶつけると、「う~ん...実家では絹さやとかを作っているんですが、その時にやっていた農業のスタイルに興味が持てなくて(笑)」とポツリ。何とも正直な言葉に、実直な人柄を感じます。

伊藤が「はるきちオーガニックファーム」のホームページでグッときた言葉は「野菜を、人間の都合で作るのではなく、野菜の都合で作っています」。そのココロを小林さんに尋ねました。

「野菜は旬の時期に育てるのがイチバン。そして、土地に合ったものを作るのが大前提だと思います。例えば、ウチの農場は土がサラサラで根が乾きやすいんです。なので、その特徴に適しているとうもろこしを手がけ、残さ物を堆肥として活用することで翌年はかぼちゃやじゃがいもを作っています。僕はその時々の野菜が育ちやすいよう、土の栄養価や微生物を生かしながら環境を整えるサポーター役なんです」
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小林さんが目指すのは理にかなった循環型の有機農業。さすがは難関大学の出身者...と思いきや、新規就農したばかりのころは「有機だ、環境が大事だと頭がカタイことばかり考えていました」と苦笑しながら振り返ります。

「かつての僕は野菜を買ってくれる人のために農と向き合っていました。だけど、今は4歳と1歳の息子が喜んで食べてくれるのが何よりうれしい。子どもたちの糧になるものを作ることこそが、この仕事の魅力なんだって考えるようになったんです。上の息子は収穫を手伝ってくれたりするんですが、そんな時に『農薬をまいたから農場に入っちゃダメ』とはいいたくないと改めて思います」
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もちろん、小林さんは有機農業以外を否定するつもりはまったくありません。むしろ、一般に比べて価格が高くならざるを得ないことに頭を抱えています。だからこそ、流通コストがかからない直売所では、地域の人々にふだん使いの「食糧」としておいしさを届けたいとできる限り格安で販売しているのです。

「僕はJA青年部としても石狩の新規就農を応援しています。ここ最近は『JAいしかり地物市場とれのさと』に出店したり、RSRと手を携えて循環型の農業を発信したり、マチが盛り上がるような取り組みにも力を入れているんです。今日は自称石狩観光大使としてTシャツまで着てきちゃいました(笑)」

地元愛にあふれた言葉に会場が沸いたところで塚田宏幸シェフが登場!小林さんが作る「ハニーバンタム」はとうもろこしの香りと穀物のコクのバランスが絶妙と絶賛し、この日のお料理を説明してくれました。
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「一品目はハニーバンタムを使ったムース。チキンコンソメで味を調え、フォアグラと合わせました。かぼちゃのニョッキは、甘みが際立つホワイトショコラ(とうもろこしの品種)のソースをつけて召し上がってください。ビーツはシンプルな岩塩焼きにし、ハマナスの香りを加えました。『はるきちオーガニックファーム』に足を運んだ際、石狩の花でもあるハマナスの良い匂いが漂っていたのが実に印象的で、この一皿に表現したいと思ったんです」

今回のメニューは...
◎とうきびのムースとフォアグラ
◎ビーツのオーブン焼き
◎カボチャの焼きニョッキ ホワイトショコラのソース
◎coronのパン
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待望の食事タイムが始まると、「おいしい」「甘みと深みがある」の声があちこちから聞こえてきました。合間には塚田シェフにとうもろこしのおいしい食べ方を尋ねたり、小林さんと農業の行く末を語り合ったり、今回もお客様とのふれ合いは大盛況!
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食事が一段落すると小林さんと塚田シェフで後半のトークセッションへ。まずはとうもろこしの受粉について「へぇ」なお話が展開されました。

「とうもろこしのヒゲは、いわゆるめしべ。それが受粉すると黄色くなって実がつくんです。ただ、ヒゲが青いうちに虫に食べられると、実の一部だけ太らずいびつな形になります」と小林さん。塚田シェフも「時々、とうもろこしの実がまばらになるのはそういう理由なんだ」と感心していました。

ちなみに、とうもろこしの花粉は数百メートルも飛ぶそうで、いろんな品種を育てていると、まれに別のものが混ざることもあるのだとか。実が白い「ホワイトショコラ」に一つだけ黄色い粒が生まれることもありますが、「それはもう仕方がないことなので、ハッピーイエローと呼んでいますね」と小林さんはいたずらっぽく笑います。
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塚田シェフはとうもろこしのオススメの茹で方をアドバイス。「水1リットルに対して塩を10グラム入れ、薄皮を一枚残して8分ほど茹でるとおいしく仕上がります。その際はエグみのもととなるお尻の部分を削るのがポイント」。小林さんも「あと、ハニーバンタムは生のうちに実を削いで、芯を炊くと良いダシがとれます。できれば皮やヒゲも煮るととうもろこしのおいしさが丸ごと味わえるはず」と言葉を継ぎます。
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楽しい時間もあっという間。最後は小林さんの一言で会の終了を迎えました。
「こういう機会に参加できて本当にうれしかったです。今日は農業の魅力、石狩の魅力、そして僕の魅力をわずかではありますがお伝えできたと思います。ただ、自分が作ったものを生かしてくれる塚田シェフがいてこそ成り立つセッション。人と人とがつながり、農業の豊かな輪を広げられるようにこれからも努力したいです」

この日の会場限定ミニマルシェは、ポップコーンやつるむらさき、空芯菜にわさび菜などさながら八百屋。お客様の列がしばらく絶えませんでした。小林さんの野菜は農場に隣接する直売所(ゴールデンウィーク~11月中旬)のほか、「JAいしかり地物市場とれのさと」、札幌の「フーズバラエティすぎはら」や「フレッシュファクトリー」で購入できます。ぜひ、足を運んでみてくださいね。
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Brasserie coron×いいね!農styleコラボ企画
おいしくて楽しい生産者トーク&交流会「coron marche de saison(コロンマルシェドセゾン)」。8月のテーマは「夏野菜」。今回は札幌で少量多品目の野菜を有機的に栽培する「かわいふぁ~む」の川合浩平さんをゲストに迎えました。
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「ウチの農場は小別沢にあって、マチナカから車で20分ほど。ススキノに一番近い農家を自負しています(笑)」

司会進行役の「いいね!農style」伊藤新から自己紹介をすすめられると、川合さんは開口一番、ジョークを交えてお客様の笑いを誘いました。

「僕は札幌出身。大学卒業後は東京で販促物制作の仕事に携わりました。だけど、ある時、百貨店向けに手がけたクリスマスのポップや飾り物が、一夜にしてトラック一杯の『不要物』になる姿を見て、自分が作っているのは何なんだろうという気持ちになってしまい...。ちょうど子どもが生まれて食を見つめ直す時期だったこともあり、そこから農の世界へとシフトしていきました」
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川合さんは新規就農を果たしてから今年で2年目。「自分がおいしいと感じるものを」という思いから、約30種の作物を有機肥料を使い無農薬で育てています。とはいえ、畑仕事を担っているのはただ一人。除草剤を使わず手作業で草むしりと格闘したり、収穫適期に合わせて短期間でレタスを大量に刈り取ったり、休む間もなく汗を流しているそうです。

「でも、僕の手が止まったって構いませんから、畑に遊びに来てほしいんです。採れたて野菜の味の違いや流通に時間をとらないからこそ日持ちすることを知ってもらいたくて。それに自分で収穫した野菜に愛着を持って大切に食べてくれたり、農作業をきっかけに家族の会話が弾んだりするとうれしいんですよね。そんな『畑の八百屋』を都会の身近な場所に開きたくて、小別沢での就農を選びました」
august_03.JPG※「かわいふぁ~む」を訪ねる場合は、事前にFacebookなどで連絡しておくとスムーズです。ページは「かわいふぁ~む」で検索してください。

伊藤の「種はどうしているんですか?」という質問から、自家採種についての話題へ。川合さんは品種によっては自分で種を採り、きゅうりやピーマンは以前の畑の持ち主からあわせると10年ほど継いでいることになるといいます。

「自家採種はスーパーに並ぶ野菜と同じではなくて、例えばきゅうりは長いもの、細いもの、ずんぐりしたものというように個性的な形になるんです。野菜も土地に合うように変わっていくのでしょうか、ピーマンは比較的高温を好むにも関わらず、ウチの種なら霜が降りる前まで収穫できます」


と、ココでおなじみ塚田宏幸シェフが「焼けました~!」と夏野菜のオーブン焼きを手に登場!この日の料理を説明してくれました。

今回のメニューは...
◎キュウリと昆布パウダー
◎夏野菜のオーブン焼き
◎ゴーヤ、トマト、ジャガイモ 全粒粉のストラッチ
◎coronのパン
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「きゅうりはシンプルに塩と昆布パウダーをふり、水分を飛ばしました。浅漬けのような感覚に近いですね。ゴーヤ、トマト、じゃがいもを使ったパスタは...きっと誰も味わったことがないと思うのでお楽しみに(笑)」

そのパスタが提供されるや、お客様は塚田シェフに「ゴーヤのパスタって苦いと思ったけど甘みがあっておいしい!」と感想を伝えていました。川合さんは「都会で畑に行って収穫を楽しめるって贅沢ネ」と声をかけられると、「夜中でも来ていただいて大丈夫です。お化けは出ません(笑)」と冗談交じりに答えるなど大盛り上がり。
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楽しい食事タイムが終わったところでトークが再開。川合さんは畑で毎日のように野菜を生で「味見」していると、味の変化が激しいことに気づいたとか。きゅうりは晴れた日の夕方に収穫するのが一番甘く瑞々しいと持論を展開します。

「ソレ、本当ですか?農作業でたっぷり汗をかいた後だからじゃなくて?」と塚田シェフの一言に会場は爆笑の渦。話題は野菜の「採りどき」に移り、収穫期間の短い「早生(わせ)」やその反対の「晩生(おくて)」といった農業ワードを説明してくれました。トマトは夏野菜といわれていますが、北海道では「秋野菜」で8月下旬が一番おいしいというお話にはお客様の「そうなんだ」の声もチラホラ。
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川合さんは無農薬で作物を育てていることもあり、塚田シェフは「虫はつかないの?」と素朴な疑問を尋ねました。「葉ものは水が足りないと弱ってしまい、虫がつきやすくなるので、僕はスプリンクラーで水をまいています。他にも雑草をこま目に抜いて風通しを良くするなど、虫に食べられにくくする工夫は取り入れているんです。だけど、キャベツなんかは手で青虫を取っています」
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今回はミニマルシェに並ぶたくさんの野菜について川合さんが説明し、塚田シェフがおいしい食べ方を伝授。札幌の伝統的な玉ねぎ「札幌黄」は煮ると甘く、ビーツはボルシチに使うのが良いのだとか。「デストロイヤー」というじゃがいもは、赤と紫のしま模様の変わった品種です。
「僕は新じゃがよりも越冬ものを使うことが多いんですが、このデストロイヤーは旨みがしっかりあります。わると黄色でわりかし甘いんですよ。越冬したものも食べてみたいんですよね」と塚田シェフ。「いやいや、ウチ、冷蔵庫がないから塚田さんがやってくださいよ(笑)」
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楽しい掛け合いが続いたところで、そろそろ終了の時間。塚田シェフはマチナカから20分車を走らせるだけで新鮮な野菜が手に入る川合さんの農場スタイルを大絶賛。「最初はチャラそうに見えたけど(笑)、話してみるとこんなに優しい人に初めて会ったと思いました。そんな川合さんの作る野菜を紹介したくて今日はゲストにお招きしたんです」

「畑に来ていただいて、旬の野菜を採って帰る。この贅沢さを広げていって、食卓と畑を近づけていくのが僕の使命です」と川合さんが締めくくりました。

この日の会場限定ミニマルシェも大盛況。次回のテーマは「とうもろこしです」。ぜひ、ご参加ください。
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Brasserie coron×いいね!農styleコラボ企画
おいしくて楽しい生産者トーク&交流会「coron marche de saison(コロンマルシェドセゾン)」。7月のテーマは「ミニトマト」。今回は赤、ピンク、黄色、緑、白にエトセトラ...まさに色とりどりの品種を手がける「のみやまファーム」の野見山朋秀さんにお越しいただきました。
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今回の司会進行役もおなじみ「いいね!農style」の伊藤新。さっそく野見山さんに自己紹介をお願いしました。

「僕は福岡県出身。北海道三笠市に新規就農してからもう10年がたちました。メインで作っているのはミニトマトですが、ハウスではほかにもメロンやスイカ、露地ではスイートコーンやじゃがいも、オクラ、かぼちゃなんかも手がけています」
※野見山さんが新規就農したきっかけは「農という仕事 それぞれの道Vol.5」をご覧ください。
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数多くの作物を育て、品種に関しても多彩に取り組んでいるのが「のみやまファーム」の特徴。ミニトマトはおよそ30品種も作っているそうです。

「僕が飽きっぽいというのもあります(笑)。ただ、同じ場所で同じ野菜を作り続けると土壌のバランスが崩れますし、作物特有の病気の菌がつきやすくなるんです。なので、今年ミニトマトを作ったハウスでは来年はメロンを...というふうに毎年2月くらいにどこに何を植えるのかパズルのように決めています」
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伊藤は野見山さんと付き合いが長く、作り方にこだわるのではなくおいしいものを突き詰める姿勢は変わらないと切り出します。そのスタイルを表現するのが「のみやまファーム」のホームページに躍る「ワザを売らずにモノを売る」という文言です。

「農法とか定石に縛られるのがイヤなんです。農薬や殺菌剤も好きではありませんが、必要な時に必要な量、必要な種類をきちんと見極めた上で使えば安全。肝心なのはミニトマトやメロン、スイカと会話を重ね、一つひとつに合った技術を作物に教わりながら売れるおいしさを作ることです」

話題は野見山さんのお子さんのトークに。学校給食には「のみやまファーム」のミニトマトやオクラを納品することもあり、ふだん「トマトは嫌い」と冗談めかして伝えてくる子どもたちも、「みんな給食を残さず食べてたよ」とうれしそうに話すそう。「それが一番うれしいかな」と野見山さんも相好を崩します。
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ミニトマトの品種は入れ替わりが激しく、日本で品種登録されている百数十のケースはあくまで「海外に持ち出すのがNGの品種」という意味なのだとか。登録されていない品種は数限りなく、野見山さんにしても5品種程度は自家採種して、コレゾというお気に入りを求める取り組みを続けています。

「10万年前とか、20万年前の品種は毎年なくなっているでしょうね。ウチで作っている白のミニトマトもピンクから派生した系統、黄色から派生した系統があります。収穫してからしばらく待ち、白からピンクへと段々と色が変わると、コイツの先祖はピンクだったのかな...なんて思いを巡らせることも」

お話が上手で時間がたつのも忘れてしまいそうですが、ココで今回のお料理を説明するために塚田宏幸シェフが登場。かつて「のみやまファーム」を訪れた際に、ミニトマトもさることながら、メロンやスイカ、オクラなど数多くの作物の味わいにも感銘を受けたといいます。
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「一品目は夏にぴったりのガスパチョ。種をとったミニトマトを絞り、トマトピューレとあわせました。上がミニトマト、下がメロンのガスパチョと二層なのでザクッとすくって召し上がってください。二品目は平打ちの自家製タリアテッレを冷製仕立てにして、ミニトマトとからめたシンプルな一皿。三品目は野見山さんのオクラを天ぷらに。ガンボという粘り気のあるアメリカ料理をイメージした香草たっぷりのグリーンソースにも、オクラのネバネバを活用しています」

この日のメニューは...

◎メロンのガスパチョ
◎いろいろトマトの冷製タリアテッレ
◎オクラの天ぷら グリーンカレー
◎coronのパン
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食事中はシェフの手の込んだ料理に「おいしくてキレイ」と表情を緩めたり、野見山さんに自家採種について詳しく尋ねたり、お客様一人ひとりが楽しい交流タイムを過ごしていました。
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お腹が一杯になったところで、今度は3人によるクロストーク。まずはミニトマトのなるほど話からスタート。大玉トマトは追熟といい、実がほんのり赤いうちに収穫して流通の間に酸味を下げていく一方、ミニトマトは完熟した状態で収穫します。その違いとは?

「ミニトマトは大玉トマトと違い追熟をしないので、完熟して木になっているところをとるのが基本なんですよね。ちなみに乾燥から身を守るためにワックスのようなヤニを出しているのですが、それがミニトマトの香り成分のもと。放っておくとすぐに香りが飛ぶので、ウチではすぐに出荷するスタイルをとっています」

野見山さんの言葉に塚田シェフが「僕ら料理人はフルーツのような甘いミニトマトよりも甘み、酸味、香りのバランスの良さを重視します。なかでも、複雑な香りが一番ほしいんですよね」と続けます。
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その後も野見山さんは「ミニトマトを育てる時、たくさん伸びてきたわき芽(葉や茎の付け根から出る芽)は頭のほうを落として主枝だけ残すと根へのダメージが少ない」とマニアックな園芸トークを披露。塚田シェフも「1リットルの水に20gと多めの塩でパスタを茹で、ミニトマトの輪切りをオリーブオイルと一つまみの塩で炒めてからめるとおいしい」とミニトマトのおいしい食べ方トークで応戦。お客様の「へぇ」や「なるほど」が絶えないセッションとなりました。
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最後はお二人からのあいさつで楽しい時間を締めくくります。塚田シェフは「実は5年ほど前、野見山さんの野菜を使ってイベントでフルコースを作ったことがあります。あれから僕の料理はどれくらい進化したのだろうか...と挑戦するような気持ちで向き合いました」と表情を引き締めました。

「最後になりましたが、僕がなぜこんなにたくさんの種類の野菜を作っているかという理由をお話しします。かつて黄色いミニトマトを作った時に、お店の方に黄色は酸っぱくておいしくないといわれました。確かにトマト=赤というイメージはありますが、僕は普通とは違う面白いことをしたいんです。30品種を手がけるには一つの技術では通用しませんし、手間がかかるもの。でも、農業を楽しみながら、食卓にハレの日を届けるようなちょっとだけ珍しい野菜を作る。そして、皆さんにもおいしく楽しい時間を過ごしていただく。その循環に手応えを感じながら充実した日々を過ごしています」と野見山さん。
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この日の会場限定ミニマルシェも野見山さんの野菜を求める人で一杯に。次回のテーマは「少量多品目の夏野菜」。どんな作物がテーマとして飛び出すのかご期待ください!
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Brasserie coron×いいね!農styleコラボ企画
おいしくて楽しい生産者トーク&交流会「coron marche de saison(コロンマルシェドセゾン)」。6月のテーマは「ホワイトアスパラ」。今回は赤井川村の「滝本農場」の三代目にあたる滝本和彦さんが、大らかで魅力的な人柄も伝わるトークを披露しました。
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「ホワイトアスパラといえば、缶詰の苦いイメージじゃありませんか?」。司会進行役を務める「いいね!農style」の伊藤新の問いかけから楽しい時間がスタート。多くのお客様がうなずいたところで、「だけど、こんなにおいしいホワイトアスパラがあるんだと教えてくれたのが滝本和彦さんです」とこの日の主役を紹介しました。

滝本さんは赤井川村で三代続く「滝本農場」の代表。アスパラ(ホワイト・パープル・グリーン)の栽培面積は約5万平方メートル、にんにくが約9000平方メートル、その他にブルーベリーやルバーブといった果実も3000本ほど育てています。
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「日本でのアスパラ栽培は岩内町が発祥とされていて、ウチは昭和初期に赤井川村で初めて栽培に乗り出しました。聞いたところによると、祖父が飲み屋さんに行った時に、アスパラという作物があるって情報を仕入れたみたい(笑)」

滝本さんは20年ほど前から有機栽培に取り組み、農薬や化学肥料を一切使わずにアスパラを手がけています。別名は「肥料食い」といわれる作物なだけに、有機栽培には大変な努力が必要なはず。伊藤がヒケツを尋ねたところ、「病気がついちゃったら潔く諦めて、翌年頑張ろうと思うこと。だって、気にし始めたらストレスが溜まってしょうがないでしょう」と笑いました。う~ん、なんとも大らかな人柄!
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話題は具体的な栽培方法へ。実は、ホワイトアスパラは太陽光が当たるとピンク色に変色し、商品価値が一気になくなってしまうのだそう。滝本農場では人が入れるほどの小さなビニールハウスに遮光性の資材をかぶせ、真っ暗闇の中で農作業にあたっているといいます。

「ウチには1棟100メートルくらいのハウスが40棟あります。僕らはヘッドライトを付けて作業しているんですが、うっかり電池の予備を忘れると、手探りで這い出てこなきゃならないなんてことも(笑)。収穫後も太陽に当てると変色しちゃうので、遮光ビニールに入れて冷蔵庫で保管します」

ハウスの解体や翌年の準備のための移設も含め、気が遠くなるような手間ひまの果てに出来上がるのがホワイトアスパラ。滝本農場では「カルデラの貴婦人」と銘打って、個人やレストラン、さらにギフトとしても売り出しています。ちなみに、パープルアスパラは「カルデラの紫宮女(しゅくじょ)」、グリーンアスパラは「カルデラの貴公子」。なんだかユニークなネーミングです。
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「平成12年ごろからホワイトアスパラを栽培したんですが、赤井川のホワイト...な~んて名前じゃオモシロクないでしょう。キレイな色にふさわしいネーミングとして思いついた単語が貴婦人。最初はカミさんに『ヘンな名前』って文句をいわれたけれど、最近は名前に興味を持ってくれる人も多いから、『今はいい名前だと思う』と手のひらを返しています(笑)」

会場に爆笑の渦を巻き起こしたところで、おなじみの塚田宏幸シェフが登場。今回はホワイトアスパラの「茹で」と「焼き」でまるごと1本ずつの食べ比べからサーブを始めました。

「ホワイトアスパラの場合、穂先は淡白な味わいで、根本に近づくにつれて心地良い苦みが増していきます。そんな味の違いを楽しんでもらいつつ、どの部分が好みかを感じていただければ」
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「茹で」はホワイトアスパラの皮でソースのベースを作ったり、皮の茹で汁の旨みをホワイトアスパラに戻したり、油の代わりにバターでムースリーヌソースを仕上げるなど手間のかかった一品。対して、「焼き」は岩塩とコショウのみで味付けしたシンプルな味わいです。お客様が食べ終わったころに塚田シェフがどちらが好きか尋ねると、焼き料理のほうがかなり多かったようでした。
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「こんなに焼き料理が好きな人が多いのは意外。そういうものなんですね...茹で料理のほうが大変なのに...もう、茹でません!」と冗談交じりに話すや、お客様からは「素材がカンペキだからシンプルな料理もおいしいんですよ~」とフォローの声が。滝本さんも「自分のホワイトアスパラがこんなに甘く茹で上がるもんなんだなって関心しましたよ」とニッコリ。会場が和やかな雰囲気に包まれたところで次の料理が提供されました。

この日の全体のお料理は...
◎シンプルなムースリーヌ(茹で)
◎オリーブオイルと岩塩(焼き)
◎北海シマエビとホワイトアスパラのタリアテッレ
◎coronのパン
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食事中、お客様は滝本さんとアスパラの食べ方で盛り上がったり、塚田シェフに料理法を教わったり、いつも以上に賑やかな交流タイムに。第二部はビタミンや葉酸、アスパラギン酸といった豊富な栄養素を持つグリーンアスパラに対して、ホワイトアスパラは栄養が少ないが、甘みや風味が強いという話題からスタート。続いて、塚田シェフがホワイトアスパラのカンタンな食べ方を教えてくれました。
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「ホワイトアスパラは卵と相性が良いんです。ヨーロッパでは茹でたホワイトアスパラにスクランブルエッグを絡めるようにして食べる人がたくさんいます」。滝本さんはすかさず「僕も卵と合わせています。ま、ホワイトアスパラと別々に食べていますけれど...」とジョークを飛ばして会場の笑いを誘いました。

塚田シェフは、八百屋さんを通して7年ほど前から滝本さんのホワイトアスパラをお店で使っているのだとか。ブレずにおいしさを届けてくれる姿勢にほれ込み、生産者のイメージを膨らませながら会う機会を待ち望んでいたというのです。
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「今回はみなさんに僕の滝本さんに対する敬意を共有したくて、滝本さんという人を紹介したくて、ココにお呼びしたんです。それに、滝本農場はホワイトアスパラもにんにくも、有機栽培でこんなにおいしいのに値段が驚くくらい安い!」
滝本さんは「じゃあ、多めに払ってもらおうかな(笑)。ウチはFAXでも注文を受け付けていますが、アスパラはトウキビや枝豆と同じようにできるだけ新鮮なうちに食べるのがベスト。作業服を着て、長靴を履いて、畑で直接『草むしりを手伝う代わりにアスパラを...』なんていってくれれば嬉しいですね。」と締めのあいさつ。滝本農場は話題に挙がったにんにくも自慢で、8月第1土曜・日曜日に開催される「カルデラ味覚祭り」でも出品する予定だといいます。
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とにかく笑い声が絶えない約1時間半。会場限定のミニマルシェでは、滝本さんの人柄もファンを作ったのでしょうか、「カルデラの貴婦人」を求める人で一杯になりました。次回のテーマは、赤黄橙黒など様々な色がある「ミニトマト」。お楽しみに!
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